KOUJIN SUGAHARA MUSEUM 菅原洸人オンライン美術館
 
 
菅原洸人オンライン美術館

コンコルド広場界隈

コンコルド広場、グラン・パレ、シャンゼリゼ大通りが描かれた作品を集めてみました。なかでも、伯父にとって大きな意味を持っていた場所がグラン・パレでした。毎秋開催されるサロン・ドートンヌ(Salon d‘automne/秋のサロン)の会場が、このグラン・パレなのです。サロン・ドートンヌが創設されたのは1903年、前衛芸術家、新進芸術家を積極的に支援してきた展覧会で、創設メンバーには建築家ジュールダンのほか、ルオー、マルケ、ヴュイヤール、ロダン、セザンヌ、カリエール、ルノアールらが名前を連ねています。フォーヴィズム(野獣派)はここから生まれ、その後、キュヴィズムの画家たちが多数入選しました。日本人では藤田嗣治、小山敬三、東郷青児、佐伯祐三、荻須高徳、小磯良平、ヒロ・ヤマガタ、鶴岡義雄らが入選しており、伯父も何度か入選を果たしました。ここでは、伯父が1989年に出展した時の日記をご紹介します。この時、伯父は67歳でした。

伯父の日記「パリの独り言」から(1989年)

「・・・昨日から上天気。今日はドートンヌの最終日。午前中の仕事をしっかりやって早昼たべてグラン・パレへ行って夕方まで各作品をじっくりと見てやろう。各作品を念入りに再三鑑賞。小生のはやはり影が多すぎて気になる。性格から来ているのだ。もっと動きと柔軟さと強さが欲しい、反省点多し。六時半に搬出。事務取扱いがこちら風にのんびり長蛇の列。やっと終わって絵を抱えて表に出る。向かいのプティ・パレのドームには紫のイルミネーション、その上に満月が輝いている。パリならではの美しさにしばらく茫然と見上げる。無事に終わった安堵感と、こうして今パリに在る幸せ感じて帰路につく。・・・」(11月某日)

「・・・昨日ドートンヌを見て色々考えさせられた事が頭を離れない。彼我の色感の違い、ヴァルール、構成の自在、民族性と風土、食生活、島国と大陸いろいろあるが、総じて小ぶりで小手先の技が見え見えで突き放した所がないのが多い。小生もそうだが異国の展覧会に出すので気負い過ぎか、作品以前の問題だ。Y氏やE氏等中心の部屋に飾られた作品は、さすがに永年の在住者らしくのびのびしていてこだわりがない。作為がない、そして張りがある。これは貴重な事だ。不自由に堪えてこの生活の中から、何かを掴んで帰国してこの感覚が何時まで持続できるか、恐らくまた日本の生温かい風土にどっぷりと浸かって鈍るかも知れない。だが今やる事は自分の個性に適していて、こっちの作品と太刀打ち出来る表現方法をしっかりと掴むことだ。・・・」(11月某日)

作品ページもくじ

パリのカフェ1
パリのカフェ2
パリのカフェ3
パリのバー etc.
パリのクレープ屋
パリの八百屋と屋台の焼栗屋
パリの花屋
パリの雑貨屋と衣料品店
パリの靴屋
パリの酒屋 etc.
パリの骨董屋と蚤の市
パリの蚤の市
パリのメトロと広告のある壁
パリの街角1
パリの街角2
パリの下町
サン・マルタン運河1
サン・マルタン運河2
モンマルトル界隈1
モンマルトル界隈2
サクレ・クール寺院1
サクレ・クール寺院2
サクレ・クール寺院3
ノートルダム寺院1
ノートルダム寺院2
パリの公園1
パリの公園2
コンコルド広場界隈
ポン・ヌフ界隈
セーヌ川畔1
セーヌ川畔2
セーヌ川畔3
セーヌ川畔4
セーヌ川畔5
セーヌ川畔6
エッフェル搭が見える風景
メニルモンタン地区ほか(パリ風景画完了)