「ドイツワイン・偉大なる造り手たちの肖像」
(Great winemakers in Germany - Hans Günter Schwarz, Ludwig Breiling, Horst Frank and Egon Müller)
岩本 順子(Junko Iwamoto)

新宿書房刊
2100円(税込)
ISBN4-88008-328-3

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書評から(Book Review)

有坂芙美子(Fumiko Arisaka)氏/ヴィノテーク・ファウンダー、ワインジャーナリスト(Vinotheque Founder, Winejournalist) 

日本には世界のワインが集まっています。ところが、ブランドネームばかり一人歩きして、ワインを楽しむ、ほんとうに必要な情報がなかなか見つかりません。ここに、経験豊かな岩本順子が、ドイツワインの最高の醸造家をたずねて取材した、現地レポートの本が生まれました。最高の品質を実現する現場の献身的な努力が、おいしいワインの奥行きをさらに豊かなものにしてくれるでしょう。彼らの取り組みは、ドイツワインの範疇を超えて、今、世界最高のワイン醸造の哲学を伝える普遍的な物語でもあります。黄金の滴がさらに美味になるひとときの読書をお楽しみください。 

芳野真光(Masamitsu Yoshino)氏/月刊WANDS誌主宰(Monthly WANDS, Editor-in-chief) 

「おいしいワインが出来た!」で、ワイン造りにいそしむケラー家の人々の厳しくも心豊かな日常を生き生きと描き出し、優れたワインが産み出される背景を見事に解き明かしてくれた岩本順子さんが、ワインの造り手シリーズの第2弾を上梓した。著名な醸造所で長くその名声を支えてきた3人のケラーマイスターが辿ったワイン造りの軌跡は、そのまま1950年代以降のドイツワイン産業の歴史でもある。造り手一人ひとりの生い立ちやパーソナリティを浮き彫りにしつつ、ドイツ各地におけるぶどう栽培やワインづくりのありようの変遷、土地の文化や風土まで学べてしまう本書が誕生したことをワイン愛好家の一人として大いに喜びたい。おそらくは重かったであろう彼らの口を開けさせて、造り手の素顔に迫るオムニバス風の読み物ができあがるには、著者・岩本さんのワインに対する情熱と女性ならではの細やかな観察眼、初対面の人でもすぐに昔ながらの友達であるかのように錯覚させてしまうような、飾らぬ気が置けない人柄に負うところが大きかったことは想像に難くない。さらにこのシリーズが第3、第4へと続くことを期待しているのは私だけではないだろう。