KOUJIN SUGAHARA MUSEUM 菅原洸人オンライン美術館
 
 
菅原洸人オンライン美術館

パリの雑貨屋と衣料品店

「パリのクレープ屋」のページでも紹介しましたが、伯父は、ピガール地区を題材とした作品をいくつか描いています。ピガールはモンマルトルの丘のふもとの、ピガール広場を中心とする界隈です。伯父がよく歩いた地域だと思います。

19世紀後半、ピガール界隈はアーティストの溜まり場でした。1855年に、ピガール広場9番地に「ヌーヴェル・アテネ」というカフェがオープンし、エドガー・ドガ、エドゥアール・マネ、フィンセント・ファン・ゴッホ、クロード・モネらが顔を出していました。

ピガール界隈は1870年から71年にかけての普仏戦争、パリ包囲戦時のドイツ軍の拠点の一つでもありました。この戦争ではドイツが勝利し、フランスはアルザス・ロレーヌ地方を失います。1871年、敗戦後のパリで、短期間パリを支配した政権「パリ・コミューン」は、ピガールを拠点として決起しました。それは産業革命時代における初めての労働者階級の政権でした。

ピガールはその後も、エディット・ピアフの歌に歌われたり、映画の舞台になったりします。近くには、世界的に知られるヴァリエテ「ムーラン・ルージュ」もあります。今日のピガールは歓楽街として知られています。

描かれている「ピガールの雑貨屋」はディスカウントショップでしょう。続く「下町の雑貨屋」は掃除道具やちょっとした大工用品を販売している店でしょうか。下の2点はいずれも「下町の衣料品店」というタイトル。プレタポルテ(既製服)という文字が見えます。上の看板に書かれた Barbès(バルベ)が地区名だとすると、モンマルトルの西隣にあたります。いずれも、パリのふつうの日常生活を切り取った作品で、伯父らしく、ところどころ、犬を連れた人が登場します。


作品ページもくじ

パリのカフェ1
パリのカフェ2
パリのカフェ3
パリのバー etc.
パリのクレープ屋
パリの八百屋と屋台の焼栗屋
パリの花屋
パリの雑貨屋と衣料品店
パリの靴屋
パリの酒屋 etc.
パリの骨董屋と蚤の市
パリの蚤の市
パリのメトロと広告のある壁
パリの街角1
パリの街角2
パリの下町
サン・マルタン運河1
サン・マルタン運河2
モンマルトル界隈1
モンマルトル界隈2
サクレ・クール寺院1
サクレ・クール寺院2
サクレ・クール寺院3
ノートルダム寺院1
ノートルダム寺院2
パリの公園1
パリの公園2
コンコルド広場界隈
ポン・ヌフ界隈
セーヌ川畔1
セーヌ川畔2
セーヌ川畔3
セーヌ川畔4
セーヌ川畔5
セーヌ川畔6
エッフェル搭が見える風景
メニルモンタン地区ほか(パリ風景画完了)